重賞レース

第61回報知オールスターカップ(SIII)

2025年2月5日

レースガイド RACE GUIDE

2007年から正月開催の定番レースとして行われていたが、2023年度から施行時期が2月に変更となった。
ダイオライト記念・川崎記念・帝王賞と続く、上半期の古馬ダート中距離路線の鍵となる一戦。
単勝1番人気の信頼度が高く連軸は決めやすい。
明け4歳の新興勢力有り、8歳以上の古馬の好走も有り、どこからでも攻める事が出来るレース。
【1着馬に川崎記念、ダイオライト記念への優先出走権を付与】

コースガイド

2コーナーの出口から発走し、コーナーを6回まわります。2周目の向正面でペースが上がったときに、離されずについていくことができるか。騎手のペース判断も重要になります。

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1番人気を軸に高齢馬から穴を探したい

※データは過去10年分(2015~2024年)を対象にした。

単勝1番人気を信頼。ヒモ次第で高配当も狙える

 単勝1番人気は8勝3着2回と複勝率100%。1着固定にするか、一捻りしての3連勝馬券にするか。
 2・3・4番人気は馬券絡みが3~4回と同列だが、5番人気は馬券絡みゼロ。
 一方、出走頭数は多いものの6番人気以下9頭が馬券に絡んでいる点に注意したい。
 1~4番人気以内のみで上位を独占したのは3回。残り7年の内6年は3連単5~6桁配当と妙味は十分。

【単勝人気別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
1番人気 8 0 2 0 80.0 % 100.0 %
2番人気 1 2 1 6 30.0 % 40.0 %
3番人気 0 2 2 6 20.0 % 40.0 %
4番人気 0 1 2 7 10.0 % 30.0 %
5番人気 0 0 0 10 0.0 % 0.0 %
6番人気以下 1 5 3 65 8.1 % 12.2 %

近6年は所属による大差無し

 過去10年で見ると船橋所属馬が2勝2着4回3着4回と断然だが、近5年で見ると地元川崎所属馬が2勝2着1回3着2回と奮闘している。
 他地区所属馬は1勝3着1回(2016年2番人気グルームアイランド、2023年サンビュート)しているが、この2頭は前年に地元中距離重賞で頂点に立っていた。

【所属別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
大井 3 1 3 18 16.0 % 28.0 %
船橋 2 4 4 18 21.4 % 35.7 %
浦和 1 3 0 15 21.1 % 21.1 %
川崎 3 2 2 25 15.6 % 21.9 %
他地区 1 0 1 18 5.0 % 10.0 %

6歳馬がやや有利も、高齢馬から穴馬を探したい

 7歳馬が2勝2着2回3着2回で連対率20%、複勝率30%と頭1つ抜けているが、全体的に大きな差は無い。
 6番人気以下で馬券に絡んだ9頭中8頭は7歳以上(残る1頭は2024年のユアヒストリー7番人気3着)。
 特に10歳3頭が馬券に絡んでいるのは、翌年の南関出走資格(前年次に入着歴のあるA1級格付馬)を取りに来ているとも考えられるが出走頭数も多いので見極めが重要だ。
 尚、牝馬は4頭が出走して馬券絡みはゼロと狙いにくい。

【馬齢別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
4歳 2 1 1 15 15.8 % 21.1 %
5歳 1 1 1 12 13.3 % 20.0 %
6歳 2 1 2 12 17.6 % 29.4 %
7歳 2 2 2 14 20.0 % 30.0 %
8歳以上 3 5 4 41 15.1 % 22.6 %
牝馬 0 0 0 4 0.0 % 0.0 %

3枠が優勢も、勝ち馬は外枠が多い

 3枠が2勝2着4回で連対率40%とやや抜け出しているが、1枠も1勝2着1回3着3回と複勝率50%と健闘している。
 勝ち馬は外枠の方が多いが、複勝率で見ると内枠の方が優勢だ。

【枠順別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
1枠 1 1 3 5 20.0 % 50.0 %
2枠 0 2 0 8 20.0 % 20.0 %
3枠 2 4 0 9 40.0 % 40.0 %
4枠 0 1 2 12 6.7 % 20.0 %
5枠 1 1 2 14 11.1 % 22.2 %
6枠 3 0 0 15 16.7 % 16.7 %
7枠 1 1 2 14 11.1 % 22.2 %
8枠 2 0 1 17 10.0 % 15.0 %

これまでの好相性レース経由馬か? 距離延長での巻き返しか?

 2024年から施行時期が正月開催から1つ後の開催に移行したが、2024年はこれまでの傾向から大きな変化は無かった。
 前走が勝島王冠だった馬(1・1・2・2・5・6・6・10・11着)が3勝2着3回3着3回、浦和記念組(4・5・7・7・8着)が4勝2着1回でこれに続く。
 近2走内で見ると埼玉新聞栄冠賞出走組が4勝2着3回3着2回と好相性。尚9頭中8頭は同レースで3着以内だった。
 レースまでの1ヶ月内に1,800~2,000mの古馬重賞は中1週となる報知グランプリカップしかなく、距離適性に注意したい。

ライター:友好春

ヒーローコール

金盃競走(2025年1月29日)

プラセボ
シシュフォス

スパーキングオールスターチャレンジ(2025年1月4日)

ヘラルドバローズ

カサブランカ特別(2024年12月17日)

ライトウォーリア

浦和記念(2024年11月20日)

金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

第61回報知オールスターカップ(SIII)

注目馬情報

ライトウォーリア (牡8歳 川崎・内田勝義厩舎)

写真:真鍋元

 昨年は韓国遠征も経験しNARグランプリ年度代表馬に輝いた充実した1年だった。同様のステップで報知オールスターCから始動し、川崎記念の連覇を狙う。前走の浦和記念2着は海外遠征後だった影響もあったのだろうが、それでも砂をかぶる競馬にも怯む面を見せず収穫のあった1戦だった。今年で8歳になるが、大事に使われてきたぶんレース巧者ぶりも健在。ベストの距離で貫禄を見せる負けられない戦いだ。

「浦和記念から間隔はあいたが、力を出せるデキに仕上がっている。これまでも休み明けを苦にしたことはないからね。斤量は課されているが実績ある舞台でしっかり勝って川崎記念へと向かいたい」と内田勝義調教師。

プラセボ (セ4歳 船橋・林幻厩舎)

写真:真鍋元

 門別でデビューし、5戦目でブリーダーズゴールドCに挑戦し4着。道営第二冠目の北海優駿では6着だったが、第三冠目の王冠賞では小杉亮騎手とのコンビで戴冠した。その後は船橋に移籍して4戦して1、2、3、1着とすべて馬券圏内。前走のトライアル戦スパーキングオールスターチャレンジでは、スタートが今ひとつもすぐに先団に取り付き、勝負どころでは6番手の位置まで下がる厳しい展開ながら、そこから怒濤の追い上げを見せての勝利。レースに対する集中力は相当なものがあり、物事に動じない精神力の強さを感じる。まだ明け4歳でA2クラスからので格上挑戦になるが、54キロの斤量は魅力。

「最終追い切りも満足いく動きを見せていた。前走はレース間隔が短かったぶん体重を減らしていたが、しっかり地力あるところをアピールできた。差す競馬もできて立ち回りもうまい。相手は強いけど、動ける位置で競馬ができれば軽量を生かせそう」と林幻調教師。

ヒーローコール (牡5歳 浦和・小久保智厩舎)

写真:真鍋元

 前走の金盃では長丁場ながら果敢に逃げの手に出て、道中もマイペースな運び。結果3着ではあったが最後まで集中力を切らさなかった。重賞連闘の強行軍で臨んで来たのは前走の粘りは復調の証と見越した軍師の采配。本来は先行にこだわらずどこからでもレースができるタイプ。ミックファイアと同世代だったため羽田盃、東京ダービーといずれも2着に泣いたが、ひと夏越した戸塚記念では今回と同条件を逃げ切り勝ち。古馬戦になっても崩れのない走りを続けてきている。流れをうまくつかめばノーチャンスではない。

「前走は長距離でも積極的なレースができた。復活に向けての足がかりになりそうだ。戸塚記念を勝っている実績ある川崎2100mでもあり、間隔はなくても調子の良さから好勝負を期待したい」と小久保智調教師。

シシュフォス (牡4歳 船橋・佐藤裕太厩舎)

写真:真鍋元

 昨年の南関東クラシックを前に道営から移籍。2戦目で川崎マイルのクラウンカップを優勝。東京湾Cで2着して東京ダービーに出走したが結果6着だった。黒潮盃ではダテノショウグンの2着、戸塚記念はサントノーレの4着と善戦はするもののまだ幼さを見せるシーンもあった。川崎2100mは前走でも経験済。集中してレースに向かえれば実力は古馬に入っても見劣らない。

「物見をしたり精神的にまだ子供っぽい面がありますね。馬体がしっかりしているだけに成長してくるのが楽しみです。前走でも脆さは感じましたが、一度同条件を経験したぶん克服できるはず。デリケートな面を出さずにレースをしてほしい。今回はこれまでより活発に調整しているので気持ちもできていると思います」と佐藤裕太調教師。

ヘラルドバローズ (牡6歳 大井・森下淳平厩舎)

写真:小金井邦祥

 昨年夏に大井に移籍。中央時代は経験豊富に幅広い距離を走っていたが結果を出しているのは1800m以上が主だった。転入後はゆったりした船橋コース使われてきたが、今回はコーナーのきつい川崎コースに転じることがひとつの鍵になりそうだ。一連の先行策だけでなく、ここ2戦では末脚の切れを見せており、意外と差しも利く川崎の馬場での立ち回りに期待したい。

「距離は気持ち長い気がしますけど、自分のリズムをつくることができればいいですね。前走は結果的に下げすぎた感じですが、最後は良くきていると思います。気性的にカーッとなりやすいのでうまくスタートを出していければ一発あってもおかしくないだけの力はあります」と矢野貴之騎手。

金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

レースレポートは、2025年2月7日18時頃の公開を予定しております。

成績・払戻金はこちら

回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
60 令和6年 ライトウォーリア 牡7 吉原 寛人
59 令和5年 エルデュクラージュ セ9 矢野 貴之
58 令和4年 ノーヴァレンダ 牡6 森 泰斗
57 令和3年 タービランス 牡8 笹川 翼
56 令和2年 オールブラッシュ 牡8 今野 忠成
55 平成31年 ヤマノファイト 牡4 本橋 孝太
54 平成30年 ディアドムス 牡6 岡部 誠
53 平成29年 ケイアイレオーネ 牡7 的場 文男
52 平成28年 グルームアイランド 牡5 吉原 寛人
51 平成27年 ドラゴンエアル 牡4 森 泰斗
50 平成26年 オオエライジン 牡6 張田 京
49 平成25年 シーズザゴールド 牡6 戸崎 圭太
48 平成24年 スターシップ 牡8 石崎 駿
47 平成23年 ボランタス 牡7 山崎 誠士
46 平成22年 マズルブラスト 牡8 戸崎 圭太
45 平成21年 アンパサンド 牡5 御神本 訓史
44 平成20年 エスプリベン 牡4 山崎 誠士
43 平成19年 ビービートルネード 牡4 町田 直希
42 平成17年 ケイアイミリオン 牡7 内田 博幸
41 平成16年 ウツミジョーダン 牡4 小林 俊彦
40 平成16年 エスプリシーズ 牡5 森下 博
39 平成14年 フジノテンビー 牡4 佐藤 隆
38 平成13年 スピーディドゥ 牡5 内田 博幸
37 平成12年 サプライズパワー 牡7 石崎 隆之
36 平成11年 アローセプテンバー 牡5 左海 誠二
35 平成10年 バンチャンプ 牡6 石崎 隆之
34 平成9年 アマゾンオペラ 牡7 石崎 隆之
33 平成8年 アマゾンオペラ 牡6 石崎 隆之
32 平成7年 アマゾンオペラ 牡5 石崎 隆之
31 平成6年 ガンガデイーン 牡5 的場 文男
30 平成5年 ハナセール 牡6 高橋 三郎
29 平成4年 パワーデイクター 牡6 田部 和廣
28 平成3年 チヤンピオンスター 牡8 高橋 三郎
27 平成2年 コリムプリンス 牡8 佐々木 清明
26 平成1年 ダイタクジーニアス 牝6 佐々木 竹見
25 昭和63年 リユウコウキング 牡4 本間 茂
24 昭和62年 ガルダン 牡7 的場 文男
23 昭和61年 カウンテスアツプ 牡7 的場 文男
22 昭和60年 トムカウント 牡7 石崎 隆之
21 昭和59年 ダーリンググラス 牡7 桑島 孝春
20 昭和58年 ミサキマリヌーン 牝7 奥山 正行
19 昭和57年 アズマキング 牡6 高橋 三郎
18 昭和56年 トウケイホープ 牡6 秋吉 和美
17 昭和55年 モブスター 牡5 佐々木 竹見
16 昭和54年 シヤドウ 牝4 橘 真樹
15 昭和53年 サンコーモンド 牡5 赤間 清松
14 昭和52年 ニユーエビス 牡6 森下 博
13 昭和51年 ヒノデアラシ 牡5 佐々木 竹見
12 昭和50年 マルイチダイオー 牡5 角田 次男
11 昭和49年 ウインザライン 牡5 赤間 清松
10 昭和48年 マルイチキング 牡5 角田 次男
9 昭和47年 リユウトキツ 牡6 佐々木 吉郷
8 昭和46年 カヤヌマタイム 牡5 渥美 忠男
7 昭和45年 アポスピード 牡5 高橋 三郎
6 昭和44年 イナズマイーグル 牡5 高橋 三郎
5 昭和43年 イチウエルス 牡6 高橋 三郎
4 昭和42年 ウエルスワン 牡6 高橋 三郎
3 昭和41年 ヒガシモア 牡6 佐々木 竹見
2 昭和40年 オリオンホース 牡6 宮下 哲朗
1 昭和39年 オリオンホース 牡5 松浦 備