重賞レース


第2回ネクストスター東日本(SIII)
2025年4月10日
レースガイド
2024年全日本的なダート競走体系整備に伴い、兵庫チャンピオンシップを頂点競走として、各主催者・各ブロックにネクストスターが新設された。
東日本ブロックは浦和・船橋・川崎競馬場の持回り重賞競走とし、2025年は3月浦和開催で実施予定であったが競走取り止めとなったため、4月川崎開催にて施行される事となった。
文字通り次世代の短距路線のスター輩出の期待が掛かる。
【1着馬に兵庫チャンピオンシップJpnⅡへの優先出走権を付与】
コースガイド
最初の1コーナーまでの距離は約300。コーナーが非常にきついため緩やかなペースで進入することが多くハイペースになりづらい傾向。息も入れやすいため、基本的には内枠の逃げ・先行馬が有利。
重賞参戦馬の巻き返しで高配当狙い
※急遽4月川崎開催での施行となり、過去に参考となるレースが無いため
データは過去1回分(2024年)+クラウンカップ過去10年(2015~2024年)を対象にした。
6番人気以下の激走注意
1番人気こそ4勝2着1回3着1回とまずまず信頼できる数字だが、2~5番人気馬が揃って、2勝以下・連対率30%以下と信頼に足りない。
1~5番人気で1~3着を独占したのは3回しかなく、それ以外の8回は6~12番人気以下が激走している。
9回は三連単万馬券決着で、内3万円以上が6回、2015年は618万3360円と大波乱となっている。
昨年3月に行われたネクストスター東日本でも1・4・8番人気での決着となっていた。
【単勝人気別成績】
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 4 | 1 | 1 | 5 | 45.5 % | 54.5 % |
2番人気 | 2 | 1 | 0 | 8 | 27.3 % | 27.3 % |
3番人気 | 1 | 1 | 4 | 5 | 18.2 % | 54.5 % |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 8 | 18.2 % | 27.3 % |
5番人気 | 1 | 2 | 1 | 7 | 27.3 % | 36.4 % |
6番人気以下 | 2 | 5 | 4 | 79 | 7.8 % | 12.2 % |
浦和VS船橋、人気薄なら大井・川崎から一考
浦和所属馬が5勝2着1回3着2回。これは全て近8年間によるもので、1・1・2・3・4・5・5・7番人気だった。勢いがある。
連対率・複勝率なら船橋所属馬。5勝2着7回3着1回。近7年連続で馬券に絡んでいる(1・1・1・2・2・3・3・3・4・5・6番人気)
上位人気馬から選ぶなら船橋所属馬か浦和所属馬が良さそうだ。
大井所属馬の1~3番人気は全て着外。そのかわり、10年で勝ち馬は無いが5・10・12番人気の3頭が馬券絡み。出走してきたら人気薄から穴馬を探したい。
地元川崎所属馬は出走頭数が多い割りに1勝2着2回3着6回といまひとつだが、1・3・3・8・8・8・9・11・12番人気と両極端。こちらも穴馬に注意したい。
昨年3月に行われたネクストスター東日本では船橋・船橋・川崎での決着。他地区からは北海道所属馬が着外となっていた。
【所属別成績】
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
大井 | 0 | 1 | 2 | 18 | 4.8 % | 14.3 % |
船橋 | 5 | 7 | 1 | 23 | 33.3 % | 36.1 % |
浦和 | 5 | 1 | 2 | 26 | 17.6 % | 23.5 % |
川崎 | 1 | 2 | 6 | 44 | 5.7 % | 17.0 % |
他地区 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0 % | 0.0 % |
牡馬が断然
1・2着は全て牡馬、3着も1回を除き牡馬。
牝馬は11頭が参戦し、2016年3戦全勝で挑んだディーズプリモの3着があるのみ。
一線級牝馬は直前に行われている桜花賞に参戦している事が多く、余程の事がない限り厳しい。
昨年3月に行われたネクストスター東日本でも牡馬が上位独占していた。
【性別成績】
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 11 | 11 | 10 | 102 | 16.4 % | 23.9 % |
牝馬 | 0 | 0 | 1 | 10 | 0.0 % | 9.1 % |
内枠有利
勝ち馬は2~7枠から万遍なく出ているが、連対率で見ると1~4枠が20%超えに対し、5~8枠は10%。
1~4枠が馬券に絡まなかったのは2022年の1回しかなく、買い目には入れておきたい。
昨年3月に行われたネクストスター東日本でも4・1・6枠で決着していた。
【枠順別成績】
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 3 | 1 | 7 | 27.3 % | 36.4 % |
2枠 | 2 | 0 | 2 | 6 | 20.0 % | 40.0 % |
3枠 | 2 | 2 | 0 | 13 | 23.5 % | 23.5 % |
4枠 | 2 | 2 | 2 | 15 | 19.0 % | 28.6 % |
5枠 | 1 | 0 | 1 | 19 | 4.8 % | 9.5 % |
6枠 | 3 | 0 | 3 | 15 | 14.3 % | 28.6 % |
7枠 | 1 | 1 | 1 | 19 | 9.1% | 13.6 % |
8枠 | 0 | 3 | 1 | 18 | 13.6 % | 18.2 % |
重賞参戦馬の巻き返しに注目
2018年からつばき賞(2020年からは椿賞)がクラウンカップのトライアルレースとなり、近6年はその勝ち馬が4勝3着1回、2着馬も2頭が再度2着になっている。
他では京浜盃出走組が3勝3着4回と好相性。4・6・7・8・10・11・12着からの巻き返しで警戒が必要だ。
雲取賞出走組は2勝止まりも2着6回3着3回。
ニューイヤーカップ出走組は4勝2着5回3着3回。三連単618万と大荒れとなった2015年1・2着馬はニューイヤーカップ出走組だった。
穴馬を探す際に注意したいのは、近2走で4着以内がなかったのは2018年1着スプリングマンと2023年2着ナイトオブバンド(2走前は中央芝に参戦、3走前に盛岡で2着有り)の2頭のみで大敗続きからの一変は難しい。
最後に、前走から騎手が替わった馬が2024年のクラウンカップを除き毎回馬券に絡んでおり、8勝2着4回3着4回で計16頭もいる事を付け加えておく。
ライター:友好春
フィエレッツァ
君子蘭賞(2025年3月13日)
ライトスリー
若盛特別(2025年2月26日)
アッカーマン
ガバナビリティー
ニューイヤーC(2025年1月8日)
プリムスパールス
ジェムストーン賞(2024年12月5日)
金子正彦
1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。
中川明美
競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。
第2回ネクストスター東日本(SIII)
注目馬情報
ガバナビリティー (牡3歳 船橋・佐藤裕太厩舎)
デビューから5戦連対を外すことなく、重賞2着2回。準重賞のチバテレ盃を制している。ネクストスター東日本が当初の浦和開催から川崎へと延期になった影響もあったようだが、レースではどんな流れでも安定して結果を残してきた。前走のニューイヤーカップでは前半にツウエンティフォーとの激しい主導権争いがあり、後半には勝ち馬ホーリーグレイルに早めにマークされ、息の入りづらい厳しい展開。それでもしっかり凌いで連対は確保。負けて強しのレース内容だった。
「前回は目一杯の仕上げだったのにレースが取り止めになって、フラストレーションがたまって状態を崩してしまった。なんとか立て直して状態を戻しているところ。前走は勢いよくハナを切ってプッシュした激しい競馬をしているので、それが今回に生きてくれば良いと思います。ハイペースでも最後までしっかり走り抜く根性があるし、どこからでもレースができる」と佐藤裕太調教師。
ライトスリー (牡3歳 浦和・小久保智厩舎)
浦和の世代最初の能力試験で一番時計を出した米国セリ取引馬。南関東最初の2歳重賞ルーキーズサマーカップでは逃げて7馬身差の圧勝。タイトルを無傷の3連勝で飾った。ネクストスター東日本が延期になったため、実質前走の若盛特別で直線脚いろが鈍ったのは気になるが、それでも3着まで踏ん張る粘り腰。スムーズな競馬ができればスピードをいかんなく発揮するだろう。
「総合力の高い馬ですね。前走は成長途上でしたので、間隔あいてどこまで上がってくるかですね。ネクストスター東日本の時期がずれたのはプラスだと思う。遠征も初めてですしうまくこなしてほしいです。外車らしいスピードがあります」と笹川翼騎手。
プリムスパールス (牡3歳 船橋・米谷康秀厩舎)
新設重賞のジェムストーン賞を逃げ切って初代王者に輝いた。4戦3勝で、唯一惨敗したゴールドジュニアはプッシュしていったぶん引っ掛かり、伸びを欠いてしまった結果だ。その後は連勝でジェムストーン賞優勝。テンに速い馬が揃うなか、ダッシュ力の違いを見せて無理なく主導権を取りきった。マイペースで逃げられたことで息も入り、4コーナーでは余裕の手応えを見せた。スピード値はかなり高い。
「仕上げてはいたがトモに疲労が見えたので間隔があいたタイミングで治療をした。大きな崩れはないと思う。まだ筋肉量もない段階だったのでジェムストーンのあとにひと息入れて成長を促すと体重もピークでは480キロまでいった。内厩で調教を重ねることでそれがいいかたちで絞れていった。体重が増えていても成長分だと思ってほしい。ここをクリアしてくれれば選択肢は広がるが、上半期の目標は優駿スプリント」と米谷康秀調教師。
フィエレッツァ (牡3歳 大井・荒山勝徳厩舎)
道営でデビューすると2戦目で重賞挑戦。4戦目には登竜門的レースのサンライズカップに出走したがいずれも5着という結果だった。その後は休養を挟んで年明けに大井に移籍すると2連勝。しかもパンチの効いた末脚で馬群を捌いた。休養を挟んだことで馬体重が大きく増量。レースぶりを見る限り成長分と言っていいだろう。
初の左回りコースになるが末脚の切れ味を生かして瞬発力勝負をしたい。
「うちに移籍してから距離を短縮したのがよかったのかもしれない。競馬でも余計なことをしないし、飼い葉もよく食べて手が掛からないタイプ。休養し馬体も大きく成長してきたようだ。あとは初めての左回りがどうなるか。調教では経験させているがレースだとまた違うからね」と荒山勝徳調教師。
アッカーマン (牡3歳 船橋・川島正一厩舎)
デビューから3連勝。平和賞では3番手で脚をため直線に懸けたが思ったほど伸びきれなかった。先々を考えて折り合い重視の競馬を覚えさせようとしたものだった。ニューイヤーカップでは不利とされる大外枠からで4番手からの競馬。前を追いかけるかたちになっても3着に残ったのは収穫。確実に進歩している。それでもやはり先手を取る競馬が理想のようだ。
「切れる脚はないから、前に行った方が持ち味が行きそう。ハナに行けない競馬をこれまで何度もしているのでこだわるわけではない。距離1400mは合うと思うし、スピードはあるけど、うるさい面などがもっと成長してくるといいですね」と本田正重騎手。
金子正彦
1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。
中川明美
競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。
ネクストスター東日本は1400mのJRA重賞級認定競走。5月に行われる兵庫チャンピオンシップを頂点とする3歳スプリントシリーズ。本来3月の浦和競馬場で行われる予定だったが、馬場コンディション不良のため取り止めとなり、今回の川崎で代替での実施となった。地方交流ながら全12頭共に南関東所属馬。
内からプリムスパールスがハナを主張しレースを引っ張った。2、3馬身離れて人気所のガバナビリティー、アッカーマン、ライトスリーと続き、よどみのない流れ。3コーナー過ぎで先頭に立ったガバナビリティーが直線も力強い走りで完勝。
中団からよく伸びたフィエレッツァが2着、後方から追い上げたピーエムナナが3着に入り確定。
タイムは1分29秒5(雨・稍重)。
1着 ガバナビリティー
テンの速い馬が多いなか、ダッシュ力を利かせ2番手のポジション取り。道中もリズムの良い走り。3コーナーでは押し出されるかたちで先頭に立ったが、直線もしっかり伸びて完勝。念願のタイトルを獲得した。
<佐藤裕太調教師>
昨年のギガースに続いて連覇できて光栄に思います。重賞獲れる逸材だと思っていたんでよかったです。日程が延びて、前回が目一杯の仕上げだったので心身のダメージがあったんですが、担当厩務員と調教に乗っている笠野騎手が懸命に仕上げてくれた。矢野騎手はこの馬のことを見てくれていましたし、どこからでも競馬ができる馬。騎乗はお任せだったんですが完璧に乗ってくれました。兵庫チャンピオンシップまでの輸送となるとまだ体質の弱さもあるし無理せず厩舎でしっかり管理したい。地元の東京湾カップを目指そうと思っています。先々は東京ダービー出走を目指しています。
<矢野貴之騎手>
テン乗りでしたが、前走の激しい競馬を見ていますので乗りやすそうな馬ですし先入観はもたないで自分のリズムで走らせようと思いました。2番手にいたんですが向正面で突いてくる馬もいたのでオーバーペースにならないように注意しながら乗ってました。直線も渋太い走りでした。体型的にも幼さがある印象も受けますし先々が楽しみです。
2着 フィエレッツァ
速い流れも、中団で脚をためられた。距離的ロスの少ない立ち回りで、直線猛追。2着に食い込んだ。
<吉原寛人騎手>
初物でよくこなしてくれたとは思います。スタートで寄られたぶん、スムーズさを欠いたのはもったいなかった。まだ成長段階で、完成度の差で負けたという感じ。集中力とか状態からすれば1200~1400mくらいが合うと思います。
3着 ピーエムナナ
スタートから位置を取りに行かず、終いにかける戦法。じっくり我慢し、脚をためると外から末脚炸裂。細身の牝馬だが差しが板についてきた。
<今野忠成騎手>
ゲートの課題はあるが今日は出てくれたし、競馬が上手だね。本当はもうひとつ前に行きたかったんだけど、急かしてしまうと最後伸びなくなる。内枠でうまく出ればもっと上を目指せる。いかにも女の子っていう感じの馬。冬毛もまだ抜けきっていないし今後が楽しみ。
4着 プリムスパールス
機動力を生かした逃げも、3コーナーで捕まった。それでも直線で二の脚を使って伸びてきた。スピードは世代トップクラスだ。
<御神本訓史騎手>
初コースでテンションも高かったんでずっと外にもたれていた。3、4コーナーで張っていたから動けなくて、乗り難しい面もある。最初から被せた感じの競馬もできそうだね。重賞勝っているだけのパワーを持っている。
5着 アッカーマン
好位追走から、3コーナーで勝負に出たが、直線期待するほど伸びなかった。
<本田正重騎手>
勝ちに行ったぶん最後止まってしまった感じ。
6着 シビックドリーム
中団からの位置取り。勝負どころからは追い上げムードがあったが、直線に入ると伸び脚が鈍った。
<安藤洋一騎手>
壁作って競馬したいと思っていた。そのために前回も馬込みの競馬をさせていた。砂を嫌がっているのかずっと外々張っていてコーナーもうまく回っていけない。走りづらそうにしていた。もっと場慣れが必要なのかも。もともと気が小さい馬なので後々のことを考えるとためる競馬をしたい。気持ちの弱さがまだある。
7着 ハセノブライアン
スタートでタイミングが合わず、後方からの競馬。少しは追い上げたが、自分のかたちの競馬はできなかった。
8着 エレファントラン
自在に動けるが、今回は最後方からの競馬。メンバーが強力なだけにこの位置からでは厳しい戦いになった。
<山崎誠士騎手>
今日は相手が強かったけど、差してくる脚は使えたのはよかったですね。
回数 | 施行年 | 馬名 | 性・年齢 | 騎手 |
---|---|---|---|---|
1 | 令和6年 | ギガース | 牡3 | 森 泰斗 |