重賞レース

第11回 川崎マイラーズ(SIII)

2019年5月15日

レースガイド RACE GUIDE

南関東で3歳牡馬が古馬にはじめて挑む重賞。17年、的場文男騎手がリアライズリンクス(浦和)で地方通算7000勝目となる差し切り勝ちを収めたのは記憶に新しい。14年のNARグランプリ最優秀短距離馬サトノタイガー(浦和)、16年の年度代表馬ソルテ(大井)はともにこのレースが古馬重賞初制覇。飛躍を期す馬たちの戦いに注目だ。

コースガイド

4コーナーのポケットから発走し最初のコーナーまで500mあり、さほどハイペースにはなりません。差し馬にとってはカーブがきつい3コーナーでうまく立ち回ることが求められます。

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金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

プロフィール_2

写真:真鍋元

これから夏場にかけて続く古馬のマイル戦。
川崎マイラーズはその序章であり、タイトルを持つ実力馬が揃うなか、重賞3連勝中のキャプテンキングが1.8倍の1番人気に支持された。

注目の先行争いは、バンドオンザランがダッシュ良く飛び出してレースを引っ張り、2番手はベンテンコゾウ。イン3番手にキャプテンキングが続いた。
よどみない流れで、レースは縦長状態。
終始好位でレースを進めていたキャプテンキングが直線ラクに抜け出して重賞4連勝を飾った。
中団で脚をタメていたトロヴァオ、クリスタルシルバー、さらにはトキノパイレーツが猛追するが、わずかに及ばなかった。

写真:小川慎介

1着 キャプテンキング

今回は好位から抜け出すかたちだったが、自在な脚質を武器に完勝。
58キロのトップハンデも何のそので、ペース問わず立ち回るレース巧者ぶりを発揮した。
暑さに弱いことからこのあとは休養に入り、復帰プランは秋のマイルグランプリから。その先には浦和コースが舞台のJBCスプリントJpnIに向かう予定だ。

<的場直之調教師>
すごく頑張ってくれましたね。スタートして包まれたんで、外に出せるかと心配したんですが、外からいい脚を使ってくれました。直線はもっと伸びるかと思ったくらい。なんとかしのいでくれました。右回りも左回りもどんなレースもできるのがこの馬の強み。このあとひと休みして秋のJBCを目標にしたい。


 

<坂井英光騎手>
自信はあったんですけど、競馬は何があるかわからないので今はホッとしています。正直いえばもっと楽勝するかと思ったんで最後は危なかった。前走は距離が長かったので馬のリズムを重視しましたが、今回はハナに行ってもいいかなというくらいの気持ちで乗りました。4コーナーで仕掛けた反応も良かったですね。ただ脚音が聞こえてきて一瞬ヒヤッと。初コースは気にしませんでしたが、暑さに弱いので今日の最後の伸びを考えると少しずつ影響が出ているのかもしれません。どんな競馬もできること、ジョッキーの指示に順応なところはこの馬のセールスポイント。秋のJBCをぜひ使いたい。楽しみです。


2着 トロヴァオ

道中は中団でじっくり脚をため、最後は勝ち馬キャプテンキングに半馬身差まで迫る力走だった。
今回は短期放牧明けだったが、休養明けに好走するパターンの持ち主。
ハイセイコー記念、ダービーグランプリを制した実績馬が8番人気の評価を払拭し、ようやくトンネルを抜け出した感がある。
テン乗りの矢野貴之騎手もうまく持ち味を引き出した。
暑さや道悪を苦にする面があることから、次は京成盃グランドマイラーズ、もしくはひと息入れてサンタアニタトロフィーというプランが上がっている。

<矢野貴之騎手>
力ありますね。悔しい。
考えていた通りの位置取りで競馬ができましたが、最後は決め手の分かな。外からでもいい感じで伸びてはいたんですが、4コーナーで内を狙っていたら結果は違っていたのかも。

3着 クリスタルシルバー

クラシックでの好走から距離適性を探っていたが、いきなりSI級の古馬を下したマイルグランプリでの勝利は印象が強い。今後もマイル前後を使われることになりそうだ。
初の遠征競馬にしては馬場を気にすることなく左回りへの対応力も見せた。

<的場文男騎手>
58キロで差がないところまで来るんだから走るところあるよね。
利口な馬だし、初めての左回りにしてはうまく走っていた。

4着 トキノパイレーツ

近走の先行から策を講じて、後方からじっくりと脚をタメる競馬。
あとひと息届かなかったものの終いの伸びはよく、持ちタイムも大幅に詰めた。
こういう競馬ができるなら、重賞戦線でもメドが立ったと言えそうだ。

<町田直希騎手>
最後は脚いろが一緒になってしまった。
こう乗ろうと思った通りではあったんですが、もうちょっと前で競馬できたらよかったのかな。1番枠がアダになって次々と前に行かれてしまった。スタートが決まって中団くらいで競馬ができるとよかったんだけど。時計も(1分)40秒台で走ってるんだからメドは立った感じ。この馬はマイルくらいの方が良さそうです

5着 アンサンブルライフ

4着馬とは8馬身離されての5着入線と力の差は感じさせられたが、10番人気ということを考えれば善戦と言っていいだろう。

<繁田健一騎手>
この馬なりによく走ってくれたと思う。
調子の良い時期だし今回の走りがきっかけになると良いね。

6着 ベンテンコゾウ

初コースの川崎では2番手を追走。
4コーナーでいったんは先頭に立つも直線半ばで脚が上がってしまった。

<御神本訓史騎手>
オープンのメンバーでやっていくにはもう少し力をつけたいですね。1~2コーナーで苦しそうなこともあってノドの影響があるのかもしれません。

8着 ゴールデンバローズ

勝ち鞍すべてがマイルで得意としている距離だが、序盤からハミ掛かりが悪く、スイッチが入りきらない走りだった。
以前のようなテンションの高さも見られず、精神面の課題があるのかもしれない。

<吉原寛人騎手>
落ち着きすぎていましたね。まったく脚を使ってくれなかった。
前に川崎マイルを勝った時は(1分)41秒9なんで、時計的にも乗り越えなければならない壁がありそうですね。
気持ち、重い気もしたので絞れたらいいのかも。

13着 ウェイトアンドシー

昨年の覇者。
前回のように自分のかたちに持ち込めなかったのもあるが、ここ数戦を見ても本来の走りができているとは思えない。

<今野忠成騎手>
今日も出たんですけどそこから内にササっちゃって。自分のレースができなかった。いったん崩れた調子を戻している途中なのかもしれません。