重賞レース

第66回 エンプレス杯(キヨフジ記念)(JpnII)

2020年3月5日

レースガイド RACE GUIDE

JRA交流の牝馬限定ダートグレードは現在10レース行われているが、そのなかでもっとも長い歴史を持ち、春のダート女王決定戦となっている。交流元年の1995年、96年のホクトベガ(JRA)、99、2000年のファストフレンド(JRA)などかつては複数回勝利する馬も多かったが、01年〜18年では、15、16年と連覇したアムールブリエ(JRA)が唯一だ。

コースガイド

2コーナーの出口から発走し、コーナーを6回まわります。2周目の向正面でペースが上がったときに、離されずについていくことができるか。騎手のペース判断も重要になります。

  • 分析
    レポート

  • 参考
    レース動画

  • 重賞
    直前情報

  • レース
    レポート

  • 歴代
    優勝馬

人気のJRA馬には逆らえない

※データは、過去9年分(10~19年 ※12年は取止)を対象にした。

1番人気は信頼度抜群

単勝1番人気は5勝、2着3回、3着1回で3着以内は外していない。11、13、14年は1~3番人気が上位を占め、15、16年も1、2番人気がともに3着以内に入り平穏な決着。しかし17、18年は、4番人気、6番人気がともに馬券に絡んでおり、18、19年は3連単で3万円台と近年はやや荒れている。

【単勝人気別成績】(過去9回)

  1着 2着 3着 着外
1番人気 5 3 1 0
2番人気 2 0 4 3
3番人気 1 3 0 5
4番人気 1 1 1 6
5番人気 0 1 1 7
6番人気以下 0 1 2 60

1着はすべてJRA

JRAが9勝、2着6回、3着8回で、毎年最低2頭が3着以内に入線している。地方勢の3着以内は、大井3頭、船橋1頭。近5年での馬券絡みは、17年2着リンダリンダ、19年2着ブランシェクールとも大井所属で吉原寛人騎手という共通点があった。

【所属別成績】(過去9回)

所属 1着 2着 3着 着外
JRA 9 6 8 17
大井 0 2 1 8
船橋 0 1 0 14
浦和 0 0 0 8
川崎 0 0 0 12
上記以外 0 0 0 22

若い世代が活躍

1着は4~6歳で、3着以内にも7歳が2頭いるだけ。その2頭は、14年2着アクティビューティ、19年3着ビスカリアとJRA所属だった。牝馬限定戦だけにもともとベテランの出走は少なく、3着内馬27頭中、19頭が4、5歳となつている。

【年齢別成績】(過去9回)

  1着 2着 3着 着外
4歳 3 3 4 21
5歳 4 2 3 26
6歳 2 3 1 21
7歳 0 1 1 7
8歳以上 0 0 0 6

TCK女王盃組が好相性

TCK女王盃JpnIII(大井1800m)から参戦してくる馬がもっとも多い。前走同レース組が11年は3着以内を独占し、近3年では、17年(1、2着)、18年(2着)、19年(2、3着)と毎年馬券絡み。3着以内に入った地方馬4頭も前走でTCK女王盃JpnIIIを使われていた。
前走が前年のクイーン賞(船橋1800m)だった馬も近年、好相性。18年アンジュデジール、19年プリンシアコメータと勝利している。また、近走でJBCレディスクラシックJpnI、東海ステークスGIIを使われていた馬は着順に関係なく警戒したい。

ライター: 栗田勇人

 

金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

プロフィール_2

第66回エンプレス杯(JpnII)

注目馬情報

協力:競馬ブック

■プリンシアコメータ(牝7歳 JRA・矢野英一厩舎)

写真:真鍋元

2017年クイーン賞JpnIII、2018年レディスプレリュードJpnII、そして昨年のエンプレス杯JpnIIと牝馬ダートグレードを3勝している実績馬。
昨年のエンプレス杯JpnIIでは、先行馬が揃う速い流れのなかで2番手につけながらもバテるどころか3コーナー手前では早くも先頭。時計も優秀で見た目以上に内容ある勝ち方だった。
その後はアンデスクイーンやクレイジーアクセルにしてやられている悔しいレース続き。レディスプレリュードJpnIIではスタートから気難しさを出して行き場を失い、まさかの大敗も喫している。

「ここを目標に乗り込んできました。動きは平凡に映ったけどいつもこれで力を出してくれるから大丈夫だよ。距離が延びた方がいいタイプなので、前走より競馬がしやすいはず」と矢野英一調教師。

クイーン賞JpnIII・2着以来になるが、これは昨年と同じローテーション。
今年も先行勢は揃っているが、川崎コースや距離の適性を生かして巻き返しを図り、連覇を狙う。

■アンデスクイーン(牝6歳 JRA・西園正都厩舎)

写真:真鍋元

5歳になってからブリーダーズゴールドカップJpnII、レディスプレリュードJpnIIと2つの牝馬ダートグレードを連勝して一躍名を上げた。
前走のTCK女王盃JpnIIIでは中団で抑えた道中から直線弾けるように伸びてくると勝ち馬と火花散るデッドヒート。わずかハナ差で敗れたが、能力の高さは実証された。

「右にもたれる面があるので、左回りに替わるのはいいと思うよ。スムーズに走れれば牝馬限定では上位だからね。ここも楽しみ」と西園正都調教師。

これまで7勝しているがすべて右回りでのもの。
川崎コースで走るのは初めてになるが、JBCクラシックJpnIで不向きな展開に泣いたように左回りの小回りコースをどう立ち回るか。

■クレイジーアクセル(牝5歳 大井・渡邉和雄厩舎)

写真:真鍋元

昨年のエンプレス杯JpnIIでは逃げ馬には厳しい展開に屈したが、その後はグランダム・ジャパン古馬シーズンを狙って、門別・ノースクイーンカップ、水沢・ビューチフルドリーマーカップに参戦し逃げ切り勝ち。レディスプレリュードJpnIIでも地方最先着してシリーズ優勝を成した。
さらには12月の牝馬ダートグレード・クイーン賞JpnIIIでは52キロの軽量も生かして逃げって、NARグランプリでは4歳以上最優秀牝馬に輝いた。
前走のTCK女王盃JpnIIIではサルサディオーネに絡まれながらの逃げとなり直線失速。自分のペースで競馬ができると滅法強く粘り強いスピードを発揮するが、ここでも同型の出方次第になりそうだ。

「いろんな競馬場にも行きましたが環境にはまったく動じず、出遅れてもあっという間に取りついて精神面がタフですね。クイーン賞はすべてが噛み合った結果ですね。この馬はバテないスピードが強みなんですが、最近では相手からのマークもきつくなってきたので、今なら番手の競馬など次の段階を目指してもいいんじゃないかと思います」と吉原寛人騎手は次のステージを模索している。

ハイペースだろうと逃がしたら怖い存在と言うこともあってマークがきつくなっているのも事実。
エンプレス杯JpnIIは進境を開くための試金石になるかもしれない。

■ラインカリーナ(牝4歳 JRA・武藤善則厩舎)

写真:真鍋元

昨年の関東オークスJpnIIでは大外枠から思い切った逃げで武藤善則調教師、武藤雅騎手の親子で重賞制覇。今回と同じ条件だが川崎2100mにしてはハイペースでの先行策だったわりに最後までしっかりとした脚いろでペースを緩めることなく走り抜けた。
その際に2着だったマドラスチェックが今年のTCK女王盃JpnIIIで牝馬トップクラスを封じて優勝していることを考えると価値が高い。

「前走は乗りづらいコースだった上に、勝ち馬にピッタリこられて厳しい展開だった。関東オークスで勝っているように川崎のコースは走りやすいからね。今回は牝馬戦だけに、すんなり先行が叶えば期待できるのでは」と武藤善則調教師

関東オークスJpnIIの走りからもコース適性は十分見込めるが、今回も強力な同型の存在をどう捌くか。クイーン賞JpnIIIでは2番手から3着に粘ったように進境もある。
一連のダートグレード参戦でも崩れることなく、デビュー以来掲示板を外していない。

■サルサディオーネ(牝6歳 大井・堀千亜樹厩舎)

写真:真鍋元

転入2戦目の前走、報知グランプリカップでは外枠から先手を取るとマイペースに持ち込み、直線ではさらにもうひと伸び。
最後まで他馬に並ばれることなくゴールを駆け抜けて重賞初制覇を成した。
中央時代からダートグレード競走にも積極的に出走し、川崎コースは今回で5度目。母サルサクイーンは川崎・内田勝義厩舎に所属して東京プリンセス賞を差し切り勝ちするなど母ゆかりの競馬場でもある。

「中央所属時代には何度も経験しているコースでもあり、すんなり自分の競馬ができれば距離も枠順もそう問わない。
ゲートで動こうとせず入りが悪かったり、調教中でも止まってしまってしばらく動かなかったり、とにかく気分が大事なタイプだから、たとえペースが速くなっても気分良く走れているかどうか次第。一気に交わされたりすると嫌気をさしてしまうので同型との兼ね合いですね」と堀千亜樹調教師。

左回りでの好走が目立ち、逃げがベスト。
ムラな面があり、今回も同型相手にまずは気持ちのスイッチが入るかどうかがポイントになりそうだ。

■トーセンガーネット(牝4歳 JRA・小笠倫弘厩舎)

写真:真鍋元

昨年の春には桜花賞、東京プリンセス賞と南関東牝馬クラシック二冠を制し、三冠目の関東オークスJpnIIでも中央馬相手に3着と善戦。グランダム・ジャパン3歳シーズンの第10代女王に輝いた。
その後は中央に移籍。跳びの軽さから芝適性を期待されたが2ケタ着順続き。
南関東のダートならとこの2戦は牝馬ダートグレードに参戦。前走のTCK女王盃JpnIIIではブリンカーを着用して臨んだが、スタート後手を踏んで最後方からの競馬。結果は6着だったが、それでもブリンカー効果なのか直線の伸び脚は良かった。「スタート五分に出られていれば」と急きょ乗り替わりで手綱を委ねられた的場文男騎手の悔しそうな表情が印象的だった。

「前走はゲートを出たところで滑って躓いて手間取った。それでも最後はよく伸びたし、内容は悪くなかった。放牧を挟んでここを目標に良い仕上がり。的場文男騎手が引き続き騎乗してくれるので改めて期待したい」と小笠倫弘調教師。

好走実績ある川崎コースで、再び手綱を取るのは的場文男騎手となれば復活のノロシを上げたいところだ。

■パッシングスルー(牝4歳 JRA・黒岩陽一厩舎)

写真:小金井邦祥

今回が初めてのダート競馬。デビューから7戦、芝の中距離を使われてきて3勝し、印象的なのは9月の中山・紫苑ステークスGIIIでは初重賞制覇。3番手から弾けてゴール前のせめぎ合いでは際どいハナ差の決着だった。紫苑ステークスはディアドラやノームコアが制してその後GIホースになったゲンの良い出世レースでもある。
その後、秋華賞GIに挑むも10着、愛知杯GIIIでは7着だったが、パワフルな脚捌きがダートに適性するのか注目だ。

「前走は馬場が影響しましたね。その後は回復状況が早かったので、ここを目標に。追い切りはメリハリのある動きを見せていました。血統的にもそうですが、前向きさがあるので、ダートへの適性を見込んでいます。挑戦のかたちにはなりますが楽しみですね」と黒岩陽一調教師。

母マイティースルーも初ダートはエンプレス杯と同じ川崎2100m関東オークスJpnIIで、御神本訓史騎手を背に4着。その後はまた芝路線に戻っているが、砂で覚醒するかどうか森泰斗騎手が手綱を委ねられている。

■サンルイビル(牝5歳 大井・阪本一栄厩舎)

写真:真鍋元

中央でデビューし、佐賀を経由して大井にやって来たのは3歳の秋。昨春にはまだC2クラスにいた馬で、夏くらいから急上昇し一気にA級まで駆け上がったシンデレラストーリー。
年末に東京シンデレラマイルで重賞に初挑戦すると、後方待機策から大外強襲してタイム差なしの3着まで迫った。
前走はTCK女王盃JpnIIIに出走し、歴戦の牝馬たちを相手に直線だけの競馬で7着まで詰めてきた。

「TCK女王盃は中央馬のペースについていけなかったんですが、直線ではしっかり伸びてくれました。
距離やコースを考えると大井コースのようにゆっくり構えているわけにはいかないので、仕掛けを少し早めて乗るつもり。エンジンかけると自分からハミ取ってくれるところあるんで、しっかりこの馬の脚を使ってくれると思います。
左回りは調教でも乗っていてスムーズですし問題ないと思います。
暖かくなって調子を上げるタイプなので、TCK女王盃の時に比べても状態は良くなっていますし、カイバもよく食べているようです」と南関東屈指のシンデレラをエスコートする藤本現暉騎手。

前がやり合いそうなメンバーなら展開も味方に。
大外一気を決めるかも。

金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

プロフィール_2

写真:真鍋元

昨年の覇者プリンシアコメータをはじめ、7頭の重賞勝ち馬が揃って13頭立てで行われた距離2100m。
快速馬が揃い、注目の先行争いは、内枠からダッシュ良く飛び出したクレイジーアクセルが主導権を握ると、サルサディオーネ、シークレットアリアも権利を主張。前半3ハロンが35秒台の超ハイペースのなか3馬身ほど離れてラインカリーナ、プリンシアコメータと続く。早々にシークレットアリアが位置を下げたが、ペースが落ちることなくホームストレッチでは縦長状態。
1番人気のアンデスクイーンは後方集団の一角。レースが動いたのは勝負どころの3コーナー。
前を行く2頭の脚いろが鈍り、飲み込まれるように先頭が入れ替わるとさらに後続が前との差をどんどん縮めにかかる。
4コーナーではプリンシアコメータが先頭に立って押し切りを図るが、道中脚をためていたアンデスクイーンが直線抜け出して快勝。
直線勝負にかけたナムラメルシーが8番人気ながら2着に食い込んで大健闘を見せた。

第66回エンプレス杯(キヨフジ記念)JpnII。
写真:真鍋元

1着 アンデスクイーン

位置取りより馬のリズムに合わせたルメール騎手の好騎乗。
ペースが速くやや後方からになったが、徐々にポジションを上げる、勝負どころではすでに射程圏内。直線では鋭く伸びて突き抜けて快勝した。
これまでの勝ち鞍はすべて右回りだったため、左回りでの勝利は初めて。走破タイムこそ前年から1秒6秒遅いが、ハイペースのなか力強い末脚が際立ち、引退レースを見事な勝利で有終の美を飾った。

<西園正都調教師>
このレースで引退なので、花道を飾れて感激しています。前走のあとはラストランに向けて仕上げてきました。
東京2100mで好走していますし、左回りはプラスになると思っていたので思った通りのレースができました。
ペースは速かったのですが、ルメール騎手がしっかりペースを読んで、計ったように差してくれましたので安心して見ていられました。
これで引退なので、栗東に帰って馬に異常がなければノーザンファームに送り出したいと思います。
ゴールを過ぎたときには涙が出てきましたし、もう少し走ってほしいという思いもありますが決まりですので。長い間応援して下さってありがとうございました。この馬の子供ができたらまた応援してあげてください。


 

<クリストフ・ルメール騎手>
前走はハナ差で負けましたが、同じコンディションなら勝てると思っていました。今日は楽勝でした。
レースのプランは特になく、岩田さんの馬をマークしようとしましたが、スタートでペースが速かったので、後ろのポジションに。
向正面からポジションを上げて、3~4コーナーでは4番手のいい位置をとれて、直線ではよく伸びてくれました。
今日で引退ですが、いい想い出がありますので、今から良いベイビーを産んでくれることを楽しみにしています。


2着 ナムラメルシー

川崎に在籍して5連勝したこともあり、コース経験は十分。その後は高知を経由して南関東に再転入したが、格下から牝馬ダートグレードに挑戦し、クイーン賞JpnIII・6着、TCK女王盃JpnIIIでは5着と地方最先着していた。今回も格下からの参戦で別定戦では厳しい条件だったこともあり人気薄。これでダートグレード競走で掲示板に載るのは2回目になるが、直線鋭く伸びる末脚でフロックではないことを証明したようだ。

<御神本訓史騎手>
今日は時計が速くなっている馬場だから、この馬には合うと思っていた。深い馬場で追い込みが利くので流れについていくというより、この馬の競馬をしようと。以前乗った時より力をつけていましたね。終いがしっかりしているので中距離くらいでチャンスはすぐにあると思う。

3着 パッシングスルー

4歳馬だがまだ7戦とキャリアも浅く、芝では紫苑ステークスGIII勝ちをおさめているがダート競馬は初挑戦。
スタートから進みが悪く、道中は後方から。3コーナーでは初めて経験する川崎の急カーブにスムーズさを欠く場面もあったが、そこからじわじわと追い上げ。ダートの適性を感じさせる走りだった。

<森泰斗騎手>
初ダートで、初めてキックバックの砂をかぶって前半はぜんぜん進んでいかなかった。
今日は戸惑いながら走っていたので、次は違うと思います。
ダートの適性はあるので慣れてくれば力的には十分やれると思います。メドが立つ内容でした。

4着 プリンシアコメータ

昨年はハイペースのなか2番手から押し切るかたちで優勝し連覇が懸かっていたが、今年は同型も速く、飛ばす2頭に少し離れて追走するかたちで道中は4番手。直線を回るといったんは先頭に立ったが、そこからの伸びを欠いて4着。

<岩田康誠騎手>
昨年はスタートして自分のペースに持ち込めたんでよかったんですが、今回は前半のペースが速すぎて最後は脚が残っていなかった。前半、もう1つ2つ後ろで競馬ができればまた違ったんでしょうが、行かんかったら嫌気をさしてしまう馬なので。

5着 ラインカリーナ

関東オークスJpnIIでの思いきった逃げが印象的で、今回も逃げたいところだったが、枠順の差もあり3、4番手からの競馬に。ペースが速く、プリンシアコメータがピタリと並ぶ厳しい展開のなか粘り強く入着確保。
デビューから一度も掲示板を外すことなく抜群の安定感。

<武藤雅騎手>
先行馬が多く、カタチ的には想定通りだったんですが、プリンシアコメータからのプレッシャーが結構ありました。流れていたわりに早めに来られてしまったぶん、最後は止まってしまって。3歳時とも変わって、気性的からも距離が少し長いようにも感じました。

6着 アッキー

本来は先行粘り込みタイプで同型と兼ね合いかと思われたが、テンにモタついて道中は中団。無理についていかなかったことが直線の伸びにつながった。

<笹川翼騎手>
今日はいつもと違って砂をかぶったせいか道中進んでいかなかった。ペースがめちゃめちゃ速かったぶん展開が向きました。長いところが合いますね。

8着 サンルイビル

初めての左回りはスムーズにこなしていたが、道中ためた脚で切れるタイプなので、こうも流れが速いと脚をためるどころか追走に手一杯。直線外に出して伸びてはきたが、弾ける脚はなかった。

<藤本現暉騎手>
左回りは問題なくこなしてくれました。
追い出して弾けるタイプなんですが、位置的にも道中から追いかけなければならない展開。もっと我慢できれば良かったんですけど。大井の外回りがベストなのかもしれません。

11着 サルサディオーネ

先行してこその馬だけに、ハナに行くクレイジーアクセルを追いかけ、ハミを噛んでペースはさらにアップ。4コーナー手前では一杯になってしまった。
ベストは前走の報知グランプリカップのようなマイペースでの逃げ。

<矢野貴之騎手>
指示通りにテンから出して行ったぶん、ハミを噛んでいたし、早めに来られて余計に厳しくなった。気分良くいけるかどうかなので距離は長くても良いと思います。

12着 クレイジーアクセル

先行勢の中でも内枠を引いたことで、スタートから好ダッシュを決めるとハナを行くかたちになるが、半馬身差にサルサディオーネの存在があり、息の入らない展開に。
勝負どころではすでに脚は残っていなかった。

<吉原寛人騎手>
ペースが速かったなあ。馬なりで行きたいけど、押していかなくてはいけなかったし厳しかった。距離も微妙に長いように思います。

回数施行年馬名性・年齢騎手
65令和元年プリンシアコメータ 牝6岩田 康誠
64平成30年アンジュデジール 牝4横山 典弘
63平成29年ワンミリオンス 牝4戸崎 圭太
62平成28年アムールブリエ 牝5武 豊
61平成27年アムールブリエ 牝4濱中 俊
60平成26年ワイルドフラッパー 牝5C.デムーロ
59平成25年ミラクルレジェンド 牝6岩田 康誠
57平成23年ラヴェリータ 牝5武 豊
56平成22年ブラボーデイジー 牝5武 豊
55平成21年ニシノナースコール 牝7吉田 豊
54平成20年サヨウナラ 牝7岩田 康誠
53平成19年トーセンジョウオー牝6内田 博幸
52平成18年ローレルアンジュ 牝7的場 文男
51平成17年プルザトリガー 牝6内田 博幸
50平成16年レマーズガール 牝4武 豊
49平成15年ジーナフォンテン 牝5内田 博幸
48平成13年オンワードセイント 牝7勝浦 正樹
47平成12年ファストフレンド 牝5蛯名 正義
46平成11年ファストフレンド 牝6蛯名 正義
45平成10年シルクフェニックス 牝6福永 祐一
44平成9年シルクフェニックス牝5福永 祐一
43平成8年ホクトベガ牝7横山 典弘
42平成7年ホクトベガ牝6横山 典弘
41平成6年ケーエフネプチュン牝4矢内 博
40平成5年パワーシヤレード牝4石崎 隆之
39平成4年ヒカリカツオーヒ牝6佐々木 竹見
38平成3年ヒカリカツオーヒ牝5石崎 隆之
37平成2年スピリツトエビス牝6的場 文男
36平成元年セリメーヌ牝5森下 博
35昭和63年ダイタクジーニアス牝6佐々木 竹見
34昭和62年ムサシタイコー牝6秋田 実
33昭和61年タケノビクトリー牝5山崎 尋美
32昭和60年ガールライヒ牝6高橋 三郎
31昭和59年ゴールドダンサー牝5佐々木 竹見
30昭和58年ミスハイヤー牝5柿本 政男
29昭和57年デユールスワロー牝5高橋 三郎
28昭和56年スターライヒ牝5秋田 実
27昭和55年ダークハリー牝5渡辺 市郎
26昭和54年シヤドウ牝4橘 真樹
25昭和53年カネハツユキ牝6山崎 尋美
24昭和52年ガバナスイセイ牝4高橋 三郎
23昭和51年フジノカオリ牝6桑島 孝春
22昭和50年シヤンタン牝5森下 博
21昭和49年ミサトクイン牝4赤間 清松
20昭和48年イケノカエデ牝7高橋 三郎
19昭和47年ゴールデンスネツプ牝4長谷川 茂
18昭和46年ヒダカスズラン牝6高橋 三郎
17昭和45年エビフジ牝5高橋 三郎
16昭和44年ローレライ牝6木村 和男
15昭和43年ハヤシゲル牝4長谷川 茂
14昭和42年ヒガシジヨオー牝5佐々木 竹見
13昭和41年フミヒロ牝5竹島 春三
12昭和40年キヨクトー牝4須田 茂
11昭和39年モリホープ牝5佐々木 竹見
10昭和39年サバンナ牝6松浦 備
9昭和38年ヒガシミノル牝5佐々木 竹見
8昭和37年ムーン牝6佐々木 竹見
7昭和36年ステツプホース牝5松浦 備
6昭和35年サンセイカツプ牝4武智 一夫
5昭和34年コンリユウ牝5須田 栄
4昭和33年ヴアイオラ牝5荒山 徳一
3昭和32年イチヨシノ牝7長沢 保作
2昭和31年ミスアサヒロ牝7安藤 徳男
1昭和30年ミスアサヒロ牝6安藤 徳男