コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

平成25年度第2回開催 川崎マイラーズ 他

5月20日~24日の開催でメインとして行われたのは川崎マイラーズ。勝ったのは船橋のスマートジョーカーで、8連勝での重賞初制覇となりました。今野忠成騎手が騎乗したクラーベセクレタは3着でした。 同じ日の第8レース、900メートルの電光石火賞では、佐藤博紀騎手のカンファーマリアが一気の逃げ切り勝ちを収めました。また最終日の最終レースに行われた小田原十郎梅特別では、1番人気に支持されたメイショウパーシーが町田直希騎手で逃げ切りました。 今回はこの3レースについて佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2013年5月22日(水)川崎マイラーズ

優勝馬 スマートジョーカー

斎藤
町田騎手のトーホウオルビスが逃げて、1番人気に支持された御神本騎手のスマートジョーカーは控えて中団からでした。
竹見
トーホウオルビスは、ピエールタイガーのハナを叩いたわけですから、ペースはちょっと速かったと思います。それにしてもスマートジョーカーはあの位置からでだいじょうぶかなと思って見ていました。
斎藤
スマートジョーカーは向正面でもまだじっとしたままでした。
竹見
内を回っていって、3~4コーナーではうまく外に持ち出しました。直線では一気に伸びて、ピエールタイガーをとらえて最後は余裕がありました。御神本騎手はよほど自信を持って乗っていたのでしょう。距離が長いところでもよさそうなので、このあとも重賞戦線で楽しみです。
斎藤
直線を向いたあたりではピエールタイガーも勝つような勢いでした。
竹見
ピエールタイガーは2番手を進んで、直線先頭に立って2着。この馬は川崎の馬場は走りますね。今回は勝った馬が強すぎました。今野騎手のクラーベセクレタは3着でしたが、57キロですからよく走っていると思います。スパーキングレディーカップあたりに出てくれば期待できるのではないでしょうか。

2013年5月22日(水)電光石火賞

優勝馬 カンファーマリア

斎藤
好スタートは山崎誠士騎手のターコイズクラウドでしたが、すぐに佐藤博紀騎手のカンファーマリアがハナを奪いました。
竹見
カンファーマリアの方はスタートはそれほどでもなかったですが、枠順もよかったです。この900メートルだと、ダッシュ力があって、前に行ける馬が強いです。
斎藤
カンファーマリアは後続を寄せ付けることなく楽勝でした。
竹見
ハナをとってから4コーナーまで、あまり追うところがなく、楽に走っています。うしろから来る馬もいることはいますが、この距離では前もなかなか止まりません。名古屋でも800メートルは3戦3勝で、2走前の川崎でも同じ900メートル戦を勝っていますから、短い距離は本当によく走ります。サウスヴィグラスの仔は短距離で強い馬が次から次へと出てきますね。

2013年5月24日(金)小田原十郎梅特別

優勝馬 メイショウパーシー

斎藤
4頭の先行争いから、メイショウパーシーがハナを取り切りました。
竹見
メイショウパーシーの町田騎手は、ハナを切るのにちょっと無理した感じでしたが、この馬は行かないとダメなようです。ただ1~2コーナーでハナを取り切ってからは馬なりのマイペースでした。
斎藤
最後はトーセンディケムに迫られました。
竹見
それでも1馬身半差があって、少し余裕はありました。このクラスでは力が違いますね。こういうハナに行ってという馬が、2番手あたりに控えるレースができるようになれば、さらに強くなると思います。今度はクラスがB級3組に上がりますから、そこでも逃げて勝負になるかどうか、ですね。